慣用連語とコロケーション

慣用連語とコロケーション

コーパス・辞書・言語教育への応用

言語データベースから隠れた特性を明らかにするコーパス言語学。慣用的な語構成体である慣用連語やコロケーションに注目し、その言語的な生成メカニズムや各種の機能について分析。

  • 著者
  • A.P.Cowie 編/南出康世, 石川慎一郎 監訳
  • 出版社
  • くろしお出版
  • 出版年月
  • 2009年04月
  • ISBN
  • 9784874244418

大量の言語データベースから言語の隠れた特性を明らかにするコーパス言語学 (corpus linguistics) の進展に伴い、最近の言語研究では、語を個別的に扱うのではなく、他の語と結合した連語の単位で見ることの重要性が広く指摘されています。

本書は、慣用的な語構成体である慣用連語 (phraseology) やコロケーション (collocation) に注目し、その言語的な生成メカニズムや各種の機能について分析したA.P. Cowie (Ed.) Phraseology: Theory, Analysis, and Applications (1998, OUP) の邦訳版です。全体は10章で構成されており、各章の学問的バックグラウンドは、コーパス言語学、言語教育、言語工学、言語文化、辞書編纂など、非常に広範になっています。慣用連語を緩やかな接点として、言語学の様々な理論やアプローチが融合していることも本書の魅力の1つと言えるでしょう。

言語学や言語教育学に関心を持つ幅広い研究者・大学院生の皆さんにお読みいただければと思います。

国際コミュニケーションセンター/大学院国際文化学研究科准教授・石川慎一郎


目次

  • 第1章 慣用連語研究:序論
  • 第2章 コロケーションと語彙関数
  • 第3章 文化の言語としての慣用連語:集団的心性表象におけるその役割
  • 第4章 英語における句語彙素の頻度と形態
  • 第5章 英語の話し言葉における慣用連語:反復生起する語結合の証拠
  • 第6章 ジャンル分析の観点から見る慣用連語単位のスタイル上の可能性
  • 第7章 上級英語学習者のライティングにおける既成パターン:コロケーションと定型表現
  • 第8章 学習者のアカデミックライティングに見る慣用連語
  • 第9章 辞書の見出し語項目からの重要語彙関数の発見
  • 第10章 慣用連語辞書:東欧と西欧の比較