「乱世」のエクリチュール

「乱世」のエクリチュール

転形期の人と文化

中世日本における三つの「乱世」(源平争乱期・南北朝動乱期・戦国時代) を記述したテクストを動態的にとらえなおし、その孕み持つ多元性・異種混交性を照射する。

  • 著者
  • 樋口大祐
  • 出版社
  • 森話社
  • 出版年月
  • 2009年09月
  • ISBN
  • 9784916087997

中世日本における三つの「乱世」(源平争乱期・南北朝動乱期・戦国時代) を記述したテクスト群は、公定文化の価値観に回収されない、別の世界認識への可能性を秘めている。それらのテクストを動態的にとらえなおし、その孕み持つ多元性・異種混交性を照射する。

森話社 書籍紹介より


目次

  • 序章 「古典日本」と転形期のエクリチュール
  • 第Ⅰ部 一二世紀末~一四世紀の動乱とエクリチュール
    • 敗者への眼差しと歴史叙述
    • 重衡が立っていた場所
    • 清盛の「悪行」を読み替える
    • 『源平盛衰記』における「改作」について
    • 「浪漫的英雄」の行方
    • 『太平記』における「事後の眼」
    • 『太平記』における四天王寺
    • 転形期とヒューモア
    • 終わりと始まり
  • 第Ⅱ部 「長い一六世紀」の記憶とエクリチュール
    • 転向キリシタンと楠伝説
    • 転形期の記憶と抵抗
    • 一向一揆と文学
    • 他者・迫害・歓待
    • 法外の視線が街々をよぎる
    • 多重所属者と『平家物語』
    • 東アジアの中の『球陽』