知っておきたい世界の名画

知っておきたい世界の名画

西洋の無数の名画のうちから50点を厳選し、それを簡潔に解説して、それぞれの絵画の基本的な見方や要点を紹介。

  • 著者
  • 宮下規久朗
  • 出版社
  • 角川学芸出版 / 角川グループパブリッシング
  • 出版年月
  • 2012年01月
  • ISBN
  • 9784044064211

西洋では少しでも大きな町に行けば立派な美術館があり、美術鑑賞は人々の生活にすっかり根づいている。学校教育でも美術史は必修であり、普通の大人であれば美術史の基本的な知識が常識として備わっている。わが国では、美術館や展覧会は多くの観客を集めているが、美術を好きな人と関心のない人とが極端に分かれており、好きな人は多くても、知らない人は何も知らないという状態である。

西洋では、美術は単なる装飾ではなく、東洋における文字のような重要な役割を果たしてきた。美術は目を楽しませるだけでなく、豊かなメッセージをもっており、美術が文化の重要な一角を担ってきたのである。美術史教育がなされていない日本では、美術というものは各人の勝手な感性や好き嫌いで見れば十分だと思われているが、それはまちがいである。どんな美術作品にも、その背後にある文化や思想が反映されているため、それに関する知識は鑑賞に不可欠である。

本書は、西洋の無数の名画のうちから50点を厳選し、それを簡潔に解説して、それぞれの絵画の基本的な見方や要点を紹介したものである。あえて、★をつけてその重要性を示した。

★★★ 死ぬまでに一度は見るべき人類究極の至宝 5作品
★★ わざわざ見に行く価値のある西洋美術の最高傑作 20作品
★ 見ることができれば幸福な最重要名画 25作品

本書によって西洋美術の精髄にふれ、その豊かで奥深い世界への目を養っていただければ幸いである。

人文学研究科准教授・宮下規久朗


目次

  • 1 巨匠の時代のはじまり—ゴシックからルネサンスへ(ジョット“マギの礼拝”/ロレンツェッティ“善政の効果”/マザッチョ“貢の銭” ほか)
  • 2 西洋絵画の栄光と頂点—バロックとロココ(エル・グレコ“聖衣剥奪”/カラヴァッジョ“聖マタイの召命”/アンニーバレ・カラッチ“バッカスとアリアドネ” ほか)
  • 3 近代絵画の多彩な展開—モダニズムの時代(ジェリコー“メデューズ号の筏”/ドラクロワ“サルダナパロスの死”/ターナー“雨・蒸気・速度—グレート・ウェスタン鉄道” ほか)