ドイツ・キリスト教民主同盟の軌跡

ドイツ・キリスト教民主同盟の軌跡

国民政党と戦後政治 1945~2009

キリスト教民主同盟が掲げた政策、党内の意見対立調整の手法、どのような社会層や団体から支持を受けてきたのかについて分析。

  • 著者
  • 近藤正基
  • 出版社
  • ミネルヴァ書房
  • 出版年月
  • 2013年04月
  • ISBN
  • 9784623066353

キリスト教民主主義政党は、多くの大陸ヨーロッパ諸国で有力な政党です。オランダのキリスト教民主アピール、スイスのキリスト教民主党、オーストリア国民党、イタリアのキリスト教中道民主連合など、名称は様々ですが、そのどれもがキリスト教民主主義を掲げています。

なかでも特に強力なのが、ドイツのキリスト教民主同盟(CDU)です。キリスト教民主同盟は、ドイツ連邦共和国が建国されて以来、総計で約44年間、政権の座についてきました。これは、戦後のおよそ3分の2の期間、与党だったことを意味します。現在(2013年4月)の首相であるメルケルも、キリスト教民主同盟の政治家です。

この本では、キリスト教民主同盟の発展と変容を論じています。キリスト教民主同盟がどのような政策を掲げ、どのように党内の意見対立を調整し、どのような社会層や団体から支持を受けてきたのかについて、分析しています。分析にあたっては、比較政党研究で案出された枠組や概念を用いています。

ドイツだけでなく、大陸ヨーロッパ諸国の政治に興味のある方、比較政治学や比較福祉国家論に関心を持っている方にも、読んでいただけたらと思っています。

国際文化学研究科准教授・近藤正基


目次

  • 序章 戦後ドイツ政治のなかのキリスト教民主同盟
  • 第1章 キリスト教民主同盟へのアプローチ
  • 第2章 アデナウアーの党指導 —国民政党への前進 1945~1963
  • 第3章 世代交代と中道の模索—若手グループの党改革 1963~1982
  • 第4章 コール・システムの発展と瓦解—国民政党化とその危機 1982~2000
  • 第5章 メルケルの台頭と新路線—キリスト教民主同盟の刷新 2000~2009
  • 終章 中道の国民政党を目指して