欲望の美術史

欲望の美術史

美術を生み出し、求めるときの様々な欲望に光を当て、美術というものをいろいろな観点から眺めた、オールカラーのエッセイ集。

  • 著者
  • 宮下規久朗
  • 出版社
  • 光文社
  • 出版年月
  • 2013年05月
  • ISBN
  • 9784334037451

本書は、美術を生み出し、求めるときの様々な欲望に光を当て、美術というものをいろいろな観点から眺めたエッセイ集である。産経新聞の同名の人気連載をまとめたものをベースに、加筆修正している。扱った作品は、世界的な名作から、通常は美術とは目されない特殊なものまで様々だが、いずれも美術史上の重要な問題につながると思っている。

あらゆる人間の営みは欲望によって成り立っている。美術といえども例外ではない。美術は、人間の様々な欲望を映し出す鏡でもある。「欲望とモラル」「美術の原点」「自己と他者」「信仰、破壊、創造」という四つの観点から、「美が生まれる瞬間」を探る。

新書でありながらオールカラーで、美麗な図版が多いので、手に取ってご覧いただければ幸いである。

人文学研究科准教授 宮下規久朗


目次

  • 第1章 欲望とモラル(食欲の罠/愛欲の果てに/金銭への執着 ほか)
  • 第2章 美術の原点(空間恐怖/ミニマル・アートの禁欲と豊饒/作品と展示空間 ほか)
  • 第3章 自己と他者(「私」に向き合う/芸術としての刺青/集団肖像画の魅惑 ほか)
  • 第4章 信仰、破壊、創造(「母なるもの」と聖母像/保守か前衛か/美術と戦争 ほか)