ジョージ・ビードルは古典遺伝学から分子遺伝学への道を切り開いた非凡な科学者でした。その業績に対して数々の栄誉を受けることとなりましたが、中でも、エドワード・テータムとともに遺伝子の役割がタンパク質を指定するものであるとした発見は遺伝学発展の一つの転換点となった歴史的業績で、これにより1958年度のノーベル生理学・医学賞を受賞しています。本書は、遺伝学の巨人の一人ビードルの最初の伝記で、この分野の最も優れた二人の研究者、ポール・バーグとマキシン・シンガーが執筆し、コールド・スプリング・ハーバー研究所出版局から2003年に出版された著書の日本語版です。神戸大学農学部インターゲノミクスに掲載されています。ご一読いただければ幸いです。
農学研究科・名誉教授 中村千春