国際規範はどう実現されるか

国際規範はどう実現されるか

複合化するグローバル・ガバナンスの動態

複雑化する国際秩序の実態を、国際関係論の最新の理論的知見と多様な事例研究を用いて、規範の観点から多面的に捉える視座を提供する。

  • 著者
  • 西谷真規子 編著
  • 出版社
  • ミネルヴァ書房
  • 出版年月
  • 2017年03月
  • ISBN
  • 9784623080052

複雑で複合的な現代の国際規範の実相を的確に捉えるにはどうすればよいか。本書は、国際関係論の最新の理論的知見と多様な事例研究を用いて、この問いに多角的に答えようとするものである。とりわけ、コンストラクティヴィズム(構成主義)とグローバル・ガバナンス論を継承しながら、複雑化する国際秩序の実態を、規範の観点からより多面的に捉える視座を提供することを目的とする。

国際協力研究科・准教授 西谷真規子


目次

  • 序章 国際規範とグローバル・ガバナンスの複合的発展過程
  • 第Ⅰ部 規範形成・伝播の複合過程
    • 第1章 「企業と人権」をめぐる多中心的なガバナンスの試み――ステークホルダー間の知識共有と人権デュー・ディリジェンス規範の形成
    • 第2章 武器貿易条約に見る規範の競合と並存――規範をめぐる合意形成の力学
    • 第3章 紛争予防規範と平和構築規範の複合と交錯――国連におけるマルチステークホルダー・プロセスの生成過程を例として
    • 第4章 日本の「抑制された再軍備」の形成過程――規範の競合という観点から
    • 第5章 グローバル開発ガバナンスの実現――UNDCFとGPEDC間の調整をめぐって
  • 第Ⅱ部 規範履行の複合過程
    • 第6章 多中心的ガバナンスにおけるオーケストレーション—腐敗防止規範をめぐる国際機関の役割
    • 第7章 内面化という虚構――国際規範の法制度化と実効性
    • 第8章 規範媒介者としてのNGO――アドボカシー・ポリティクスの理論と実践
    • 第9章 規範パワーEU持続性――政治の意思を支える制度の反復的実践