復興の空間経済学

復興の空間経済学

人口減少時代の地域再生

東日本大震災がもたらした、人口減少時代の復興という難問。空間経済学の第一人者が、人口減少時代の地域再生策を提言する。

  • 著者
  • 藤田昌久, 浜口伸明, 亀山嘉大
  • 出版社
  • 日本経済新聞出版社
  • 出版年月
  • 2018年02月
  • ISBN
  • 9784532134785

本書は、地方創生から国際地域統合まで、地域・距離の概念に係る様々な経済現象に関連して注目される空間経済学を、東日本大震災からの復興という喫緊の課題の分析に応用する初めての試みです。

少子高齢化の進む中で個々の被災地が創造的に復興し、国全体が均衡的にさらに発展していくために、日本のすべての地域におけるイノベーションの活性化が鍵となります。この観点からも、イノベーション・モデルを中心とする空間経済学は、適切な分析の枠組みであるとともに、有効な政策提言を提示できます。

本書は、空間経済学に基づいて三陸地域沿海部に焦点を当てて分析を行い、自然資源の重要性とともに創造性を必要とすること、人口移動を考慮したときに復興の障害となる問題、地域コミュニティの再生や安全で楽しいまちづくりを進めるための復興政策の課題について考察します。

経済経営研究所 教授 浜口 伸明


目次

  • 第1章 人口と国土システムの長期的変遷
  • 第2章 空間経済学から見た国土システムの変容過程と復興政策のあり方
  • 第3章 写真とデータで見る東日本大震災からの復興の歩み
  • 第4章 被災地における人口減少と創造的復興
  • 第5章 自然資源に基づく復興
  • 第6章 サプライチェーンの強靱化
  • 第7章 地域コミュニティの再生
  • 補論 人口減少社会のための空間経済学理論