アジアの市場経済化と民事法

アジアの市場経済化と民事法

法体系の模索と法整備支援の課題

かつて植民地独立戦争で犠牲を払い、自立した規範秩序の確立を模索するアジアの市場経済化諸国。その法整備を支援する国際協力を通じて、日本の法と社会が抱える課題をも映し出す。

  • 著者
  • 金子由芳
  • 出版社
  • 神戸大学出版会 / 神戸新聞総合出版センター
  • 出版年月
  • 2019年04月
  • ISBN
  • 9784909364067

神戸大学出版会より、はじめての学術専門書

本書が主な対象とするアジアの市場経済化諸国は、植民地独立戦争で痛ましい犠牲を払い、北爆や内戦で残骸と化した農地で食をつなぎながら子孫を育て、いまやグローバル市場の外圧に翻弄されながら自立した規範秩序を作り上げていこうと努める国々である。そのような諸国の法整備に伴走する国際協力を通じて、日本の法と社会の抱える課題が、逆に映し出されてくるのである。

神戸大学出版会 書籍紹介より


目次

  • 序章 アジアの民事法へのまなざし
  • 第1部 民事法分野の法整備支援の意義と実相
    • 第1章 民法典による市場経済化の規範調整 ―日本支援の検証テーマ
    • 第2章 アジア民事訴訟法改革の基本スタンス ―ベトナムにおける民事訴訟法改正支援等に焦点を当てて
    • 第3章 アジアにおける日本の法整備支援とその課題 ―民法作成支援の視点から見える問題
  • 第2部 法の移植の歴史軸
    • 第4章 アジアにおけるフランス植民地の民事法
    • 第5章 タイ民商法編纂における日本民法の役割 ―特に債務不履行法の成立過程とその現代的意義を中心に
    • 第6章 植民地土地法と現代の土地法改革
    • 第7章 インドネシアにおける民事法の発展史 ―土地法に焦点を当てて
  • 第3部 アジア法の経済成果と社会実相
    • 第8章 競争法整備支援とその評価 ―競争法の普遍性と土着性の観点から
    • 第9章 強制執行における日本法とミャンマー法の比較の試み
    • 第10章 ベトナムにおける法制度改革と企業発展
    • 第11章 法の起源、金融発展、産業構造変化
    • 第12章 アセアン後発4か国における解雇法理
    • 第13章 ベトナム労働市場のグローバル化にともなう諸状況と立法的対応