平成時代の日韓関係

平成時代の日韓関係

楽観から悲観への三〇年

なぜ日韓は平成時代に関係を悪化させることになったのか。各時期における政治的アクターの具体的な動きに注目しつつ、描写・考察する。

  • 著者
  • 木村幹, 田中悟, 金容民 編著
  • 出版社
  • ミネルヴァ書房
  • 出版年月
  • 2020年07月
  • ISBN
  • 9784623088232

1989年に始まる平成年間は、日韓関係においては特殊な時期に当たっている。即ち、この時期は1980年代末の楽観に満ちた日韓関係が1991年の慰安婦問題や2005年の竹島問題の激化等を経て、急速に悪化していく時代に当たっている。それでは、何故にこの時期の日韓関係は当初の予想に反して悪化する事を余儀なくされたのか。本書ではこの問題について各時期における政治的アクターの具体的な動きに注目しつつ、描写・考察している。近い時代の、しかしながら時に忘れられがちな事実を振り返る事で、日韓関係更には国際関係について理解を深めて欲しい。

国際協力研究科 教授 木村 幹


目次

  • プロローグ──「ヒロヒト」の死
  • 第Ⅰ部 相互信頼から相互不信へ
    • 第1章 希望に満ちた始まり──盧泰愚来日と天皇訪韓構想、一九八九~九〇年
    • 第2章 慰安婦問題の展開──元慰安婦の告発から河野談話まで、一九九一~九三年
    • 第3章 過渡期の日韓関係──村山談話と靖国問題、一九九四~九六年
    • 第4章 小春日和の時代──アジア通貨危機から日韓共催ワールドカップまで、一九九七~二〇〇二年
  • 第Ⅱ部 対立激化への展開
    • 第5章 転換期の日韓関係──領土問題の相克と定着化、二〇〇三~〇七年
    • 第6章 政権交代への期待の消滅──民主党政権と李明博政権、二〇〇八~一二年
    • 第7章 「慰安婦」問題解決への合意──朴槿恵政権の対日外交、二〇一三~一六年
    • 第8章 〝初めから掛け間違えたボタン〟──文在寅政権の転換、二〇一七~一九年
  • むすびにかえて──鼎談:平成以後の日韓関係を振り返る