生殖する人間の哲学

生殖する人間の哲学

「母性」と血縁を問い直す

人間はみな、広義には「生殖」するものである。差異と普遍性の双方を考慮しつつ、生殖を軸に人間をとらえ返す、斬新な哲学的試み。

  • 著者
  • 中真生
  • 出版社
  • 勁草書房
  • 出版年月
  • 2021年08月
  • ISBN
  • 9784326154791

本書は、生殖に関するいまだに根強い従来の見方を再考し、「産む」ことや、自分の子どもをもつことだけでなく、「育てること」や、子どもとの関係からなる「親であること」もまた生殖の一部として考察していく。そこでは生殖に関するいくつかの境界線(妊娠出産経験の有無、血縁の有無、子どもの有無)が揺るがされ、無効化されることになるだろう。

勁草書房 書籍紹介より


目次

  • 第1章 「生殖」と他なるもの
  • 第2章 生殖の「身体性」の共有――男女の境界の曖昧さ
  • 第3章 「母性」の再考――「産むこと」に結び付けられているもの
  • 第4章 新たな「母性」――産むことと、育てること/母であることの分離
  • 補章 事例から見る、産む(生む)ことと育てることの分離――新生児特別養子縁組、「赤ちゃんポスト」、児童養護など
  • 第5章 父親や養親の側から生殖を見る――間接性と二次性を超えて
  • 第6章 産むことや血縁を超えた「第一の親」の拡大
  • 終章 生殖にかかわる三つの境界の攪乱