少女中国

少女中国

書かれた女学生と書く女学生の百年

野心を胸に、居場所を探して冒険した中国の女学生たち。その二〇世紀を多彩なものがたりから読み解く。近代文学と性別の関係に興味を持つすべての人におすすめの一冊。

  • 著者
  • 濱田麻矢
  • 出版社
  • 岩波書店
  • 出版年月
  • 2021年11月
  • ISBN
  • 9784000614986

「従順であること」こそが徳であるとされてきた前近代中国の女性たち。近代の幕開けと共に少女たちが教育を受け、意志を持つことを奨励され、自分の未来を自分で決めるようになった(と思った)とき、何が起こったのか……

現代中国のテクストをあれこれ読み、いろいろ考えを巡らせて書き上げた一冊です。中国語圏に限らず、近代文学と性別の関係に興味を持っている人すべてにおすすめします。

人文学研究科 教授 濱田麻矢


目次

  • 序章 少女中国へようこそ
  • 第1章 こんなところがあるなんて!――陳衡哲と凌叔華の描く女学校
  • 第2章 勉強はしたけれど――魯迅の妻・許広平の葛藤
  • 第3章 女学生という珍獣がいる――沈従文のコンプレックス
  • 第4章 青い服の少女――張恨水と張愛玲が描く理想の女学生
  • 第5章 台湾少女の学校生活――楊千鶴の日本語創作
  • 第6章 解放軍がやってきた――宗璞とイーユン・リー
  • 第7章 「女の園」はるか――張愛玲の回想叙述
  • 第8章 世紀末台湾の女学生――朱天心『古都』
  • 第9章 その先のユートピア――王安憶「兄弟たち」
  • 終章 愛という名のもとに――二〇世紀中国語圏文学の少女像