クルト・ヴァイルの世界

クルト・ヴァイルの世界

実験的オペラからミュージカルへ

ブレヒトと作った《三文オペラ》の作曲家として有名なヴァイル。没後70年を経て再評価が進むヴァイルの実像を最新の資料と研究に基づいていきいきと描き出す。

  • 著者
  • 大田美佐子
  • 出版社
  • 岩波書店
  • 出版年月
  • 2022年03月
  • ISBN
  • 9784000226455

分断されつつある世界に、クルト・ヴァイルの生涯と作品は何を問いかけるのか。

ブレヒトと作った《三文オペラ》の作曲家として有名なヴァイル。若くしてヨーロッパで成功を収めたが、ナチスに追われアメリカに亡命。戦後、ミュージカル界での成功を「大衆迎合主義」への転向とアドルノに批判され、その豊かな世界は忘れられる。

没後70年を経て再評価が進む「二つのヴァイル」の実像を最新の資料と研究に基づいていきいきと描き出す。

人間発達環境学研究科 准教授 大田美佐子


目次

  • 序章 《三文オペラ》と「二人のヴァイル」
  • 第一部
    • 第一章 デッサウから世界へ
    • 第二章 踊るベルリン
    • 第三章 《三文オペラ》の熱狂とオペラの実験
    • 第四章 ヴァイルとブレヒトのアメリカ
    • 第五章 闘うヴァイル
  • 第二部
    • 第六章 亡命の哀歌
    • 第七章 アメリカで見た景色
    • 第八章 ダビデの星と星条旗
    • 第九章 ドラマとしてのミュージカル
    • 第十章 社会派音楽劇の軌跡
  • 終章 文化的記憶としての《三文オペラ》