コロナ禍の中小企業と法変化

コロナ禍の中小企業と法変化

揺れ動く日本・アジアの公助と契約文化

コロナ禍の日本の中小企業を取り巻く法や契約関係に注目し、政府の施策や、市場内の契約再交渉について考察。さらに近隣アジア諸国とも比較しながら検証する。

  • 著者
  • 金子由芳
  • 出版社
  • 神戸大学出版会 / 神戸新聞総合出版センター
  • 出版年月
  • 2022年08月
  • ISBN
  • 9784909364173

新型コロナウイルスは、世界各地で人々の行動に自粛を強い、経済的側面では中小企業をはじめとする経済主体への影響は甚大なものとなった。コロナ禍の負の影響を、社会は公正に負担し得ているのだろうか。本書はとくに、コロナ禍の中小企業セクターを取り巻く法や契約関係に注目し、政府の施策や、市場内の契約再交渉について、実証的アプローチにより特色と課題を考察する。

本書第一部は、コロナ禍の中小企業セクター支援に関与する日本の研究者や法曹が、現実の事例や聴取り調査を踏まえて、日本の制度対応の特色を掘り下げている。

本書第二部は、日本と近隣アジア諸国との比較を試みた。中国・韓国・インドネシア・ミャンマー・ニュージーランド・フィリピン・タイ・ベトナム各地の研究協力者との連携で、同一の質問票に基づいて実施した中小企業・労働者・金融機関に対する聴き取り結果をまとめ、また共同研究者による書き下しの論考を加えた。

神戸大学出版会 書籍紹介より


目次

  • 第1部 コロナ禍の日本の中小企業と法変化

    • 第1章 コロナ禍の中小企業を取り巻く法と契約
    • 第2章 コロナ禍の中小企業支援と弁護士の役割
    • 第3章 コロナ禍における事業再生-特定調停に焦点を当てて
    • 第4章 コロナ禍における「法的地域セーフティネット」の形成に向けて-「民事裁判のICT化」と弁護士・地域金融機関の役割を中心に
    • 第5章 コロナ禍における紛争解決手続等のIT化と更なる発展への期待
  • 第2部 アジア諸国のコロナ対応と法制度

    • 第6章 アジア比較の視座
    • 第7章 韓国におけるCOVID-19対応
    • 第8章 インドネシアにおける感染症対策と経済再建の相克
    • 第9章 フィリピンのコロナ禍の中小企業と法
    • 第10章 ベトナムにおける感染症対策と経済対策のバランス