地域歴史文化のまもりかた

地域歴史文化のまもりかた

災害時の救済方法とその考え方

自然災害が多発する現代社会において宿命的な課題である、災害対策。地域の歴史や文化はどうまもっていけばいいのか。現場対応に生かせる書。

  • 著者
  • 天野真志, 松下正和
  • 出版社
  • 文学通信
  • 出版年月
  • 2024年04月
  • ISBN
  • 9784867660430

阪神・淡路大震災から東日本大震災を経て現在に至るまで、被災資料救済の対応に関わる救済技術の紹介やマニュアルが多数提示されてきたが、実は被災の状況は地理的状況や災害程度等によって大きく変容し、救済対象となる資料の状態も一様ではない。

本書はマニュアルにとどまらない、「考え方」に重点を置き、それぞれの「被災状況」に合った実践活動の手がかりを示す。

また資料をとりまく人と地域との関わりに注目し、救済から継承に至る経過のなかで実践を重ねるいくつかの取り組みを通して、社会のなかで活用される専門知のあり方についても考えることも課題とする。国際化に対応すべく、英語版も併載。

地域を主体とした被災資料の救済活動を広げていくために。

地域連携推進本部 特命准教授 松下正和


目次

  • はじめに
  • 第1部 資料救済の前提
    • 第1章 災害発生時における地域と資料
    • 第2章 資料救済に関わる人びと
  • 第2部 資料救済・保存の考え方
    • 第3章 紙資料の救済
    • 第4章 写真資料の救済
    • 第5章 民具の救済
    • 第6章 美術資料の救済
  • 第3部 資料救済への備え方
    • 第7章 救出のシミュレーション:行動計画
    • 第8章 救済方法のシミュレーション:災害対策の実務を考える
    • 第9章 地域とのコミュニケーション
    • 第10章 歴史資料保存活動と「専門知」
  • おわりに