数とは何か そして何であるべきか

数とは何か そして何であるべきか

長く読み継がれてきた数学論の古典、『連続性と無理数』『数とは何かそして何であるべきか』の新訳。

  • 著者
  • リヒャルト・デデキント 著/渕野昌 訳・解説
  • 出版社
  • 筑摩書房
  • 出版年月
  • 2013年07月
  • ISBN
  • 9784480095473

本書は、R.デデキントによる『連続性と無理数』(初版 1972(明治5)年)と『数とは何かそして何であるべきか』(初編1888 (明治21)年)の邦訳です。

付録として、E.ネーターによる『数とは何かそして何であるべきか』の解説(1931(昭和6)年)と、E.ツェルメロの論文、『集合論の基礎に関する研究 I』(1908(明治41)年) の邦訳、および、訳者による書きおろしの『現代の視点からの数学の基礎付け』(2013(平成25)年)を付し、『解説とあとがき』でデデキント2つの著書の数学史の中での位置や、現代の数学や数学の基礎付けの視点から見たときの意義や意味についても論じています。

本書のこれらの付録、特に『現代の…』は、読者が、デデキントの2つの著書を歴史的文献としてだけでなく、これらの著書に続く時代から、現代にまでいたる数学の基礎付けに関する研究の流れを踏まえた視点からも捉えられるよう、そのために必要となる基礎知識を補足する、ということを目的として書き加えたものだったのですが、これらの付録により、全体として、デデキントの著作を軸とした、(現代での) 数学の基礎付けの理論に関する入門書としても読むことができるようなものになったと言えると思います。

システム情報学研究科・教授 渕野昌


目次

  • 第1部 連続性と無理数(有理数の全体の性質/有理数の全体と直線上の点の比較 ほか)
  • 第2部 数とは何かそして何であるべきか?(要素から成るシステム/システムの写像 ほか)
  • 付録A 前掲のモノグラフに対する説明
  • 付録B 集合論の基礎に関する研究1(基本的な定義と公理/同等性の理論)
  • 付録C 現代の視点からの数学の基礎付け(数学の基礎付けとしての論理/述語論理の論理式 ほか)