地域と理論から考えるアジア共同体

地域と理論から考えるアジア共同体

アジア地域の問題点を内外の視点から検証し、歴史、思想、安全保障、経済などの多面的な文脈も加えて、地域の将来を考える糸口を提示。

  • 著者
  • 坂井一成
  • 出版社
  • 芦書房
  • 出版年月
  • 2015年08月
  • ISBN
  • 9784755612800

ヨーロッパで地域統合が始まった1950年代初頭、今日のEUへとつながる発展をどれほどの人が予想し得ただろうか。フランスとドイツという戦争を繰り返してきた隣国同士が、対立どころかむしろ平和共生の手本を示すまでになったのである。

翻ってアジアを考えると、冷え込む日中関係、日韓関係の現状をみると、とてもヨーロッパのような地域統合が可能とは思われない。ただ、仏独と同様、互いに隣国同士であることには変わりはなく、国の壁をこえて平和共生の道を探る努力は続けなくてはならない。

本書は、最初から「できる」「できない」と決めつけるのではなく、横たわっている問題点をアジア地域内部の視点から、さらには広くグローバル社会の視点から検証し、加えて歴史、思想、安全保障、文化交流、国際政治経済といった理論的な文脈から学際的・多面的に検証を行い、アジア地域の将来を考える糸口を提示している。

国際文化学研究科・教授 坂井一成


目次

  • 第1部 地域統合の現在
    • 序章 地域統合の現在
    • 第1章 日本とアジア共同体
    • 第2章 中国とアジア共同体
    • 第3章 朝鮮半島からみるアジア共同体
    • 第4章 ASEANとアジア共同体
  • 第2部 国際社会のなかのアジア共同体
    • 第5章 オーストラリアにとってのアジア共同体と太平洋
    • 第6章 アジア共同体とアメリカ
    • 第7章 ロシアとアジア共同体
    • 第8章 EUとアジア
  • 第3部 アジア共同体への視角
    • 第9章 歴史・思想からみるアジア共同体
    • 第10章 国際政治経済からみる「東アジア共同体」
    • 第11章 安全保障からみるアジア共同体
    • 第12章 文化交流からみるアジア共同体
    • 終章 やがて世界は一つになる