改訂新版 石の綿

改訂新版 石の綿

終わらないアスベスト禍

直接扱った人だけでなく、家族や工場周辺の住人にまでも被害を及ぼす物質・アスベスト。その恐ろしさと被害の実態、国や企業を相手に闘った人々の姿をマンガとコラムで紹介。

  • 著者
  • 松田毅, 竹宮惠子 監修
  • 出版社
  • 神戸大学出版会 / 神戸新聞総合出版センター
  • 出版年月
  • 2018年07月
  • ISBN
  • 9784909364036

神戸大学出版会 刊行第3冊目

悪性中皮腫に象徴される、アスベストによる健康被害は、深刻な状況が続く。

2005年の「クボタ・ショック」は遠くの出来事ではない。神戸でも阪神淡路大震災時の暴露による、労働災害も含め、被害は少なくない。本書ではストーリー・マンガとして、泉南の国家賠償請求訴訟、イタリアのエタニット社経営者に対する訴訟も描き、加えて医療や補償、リスクコミュニケーション、市民運動、世界全体の動向も点描した。

(本書は、2012年にかもがわ出版から刊行の『石の綿—マンガで読むアスベスト問題』を改訂したものである。)

人文学研究科 教授 松田 毅


目次

  • 第1部 終わらないアスベスト禍
    • 洗濯曝露
    • クボタ・ショック
    • 泉南 —国賠訴訟の原点
    • 震災とアスベスト
    • アスベスト・ポリティクス
    • エタニット —史上最大のアスベスト訴訟
  • 第2部 現状を点描する —問題解決のために
    • アスベストによる健康被害の状況 —世界と日本
    • 医療関係 —胸膜中皮腫の治療法と薬剤
    • 関連法規から
    • アスベストによる健康被害に関する訴訟・補償
    • 行政によるアスベストリスク対策の課題
    • 新たなネットワークの立ち上げ
    • 世界のアスベスト事情 —アジア地域における白石綿の使用禁止を焦点に
    • リスク・コミュニケーション—アスベストの飛散事故と暴露を防ぐ